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全国50万人の子どもたちを受け持つ“先生”として。COMPASSの「教育設計」の仕事【メンバーインタビュー#04】

こんにちは。採用広報チーム伊藤です。
前回記事では全国の自治体への伴走を通して子ども達の未来を描く、営業部の皆さんの仕事について紹介させていただきました。

今回は、Qubenaのコンテンツづくりに携わる未来教育部 教育設計チームから5名に参加いただき、座談会形式でお話を伺っていきます。

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座談会メンバー(写真左上から時計回り。名前横は担当教科)

髙木(英語):教育設計チームのリーダー。
学習塾/予備校講師、高校教員として計19年勤務後、教材会社を経てCOMPASSと出会う。専門性・現場経験を活かした学習・教育の再設計への想いをここなら達成できると感じ、入社を決める。

鶴野(理科):
個別指導塾の講師から、2012年に創業した学習指導塾COMPASSへ講師として参加。「個別最適化された人工知能型教材」を創りたい、と現在の教材開発に携わる。

嵯峨山(理科):
前職は私立中高一貫校の教員。学校現場しか知らないまま教育に携わることへの疑問、学校教育の個別最適化、新しい学校教育創りに外から携わりたい、という想いから、今年7月にCOMPASSへ。

釣田(英語):
前職は小学校の教員。激変する社会の中で、学校だけではない様々な視点での教育へのアプローチの必要を感じ、COMPASSのミッションに共感。今年8月にCOMPASSへ。

川野(国語):
前職は高校教員。授業の効率化と最適化の必要性を感じる中で「創る側」として携わりたいという想いを抱くようになり、プログラミングスクールで学んだのちにCOMPASSへ。


Q:未来教育部 教育設計チームの仕事は?

――はじめに皆さんのお仕事について、紹介させていただきたいのですが、まず、「未来教育」「教育設計」という部署名、COMPASSならではのネーミングですよね…!

髙木:
そうですね、僕たち教育設計チームの主な業務は、Qubenaに搭載されている問題や機能といったコンテンツの設計です。

一般的には「教材開発」や「コンテンツ開発」などの名称がついていることが多いと思いますが、教材だけでなく、教育環境全体を創り出していく、という決意を込めて、COMPASSでは「未来教育」「教育設計」という名称にしています。

――なるほど!具体的にはどのような業務を進められているのでしょうか?

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(教育設計チームの業務例)

髙木:
大きくは「前提の策定」、その前提に基づく「問題の検討」「機能の検討」に分かれます。先日来年度の大幅問題追加と新機能のプレスリリースが出ましたが、まさにこうした新たな問題や機能の設計を担当していて、そのために必要な調査や分析も日々行っています。

活用モデル校を中心とした学校現場での授業見学や先生方との意見交換もその一環です。

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(髙木さん)

Q:教職からのキャリアチェンジのきっかけは?

――皆さん学校や塾などの教職からのキャリアチェンジで、企業間の転職とは違う、大きな決断だったのではと思いますが、何がきっかけだったのでしょう?

釣田:
僕は、今年の3月まで小学校の教員でした。ICTの担当をしていて、QubenaのようなICT教材に関わることも多かったんですが、先生方の研修に時間がかかったり、使い始めてから活用するまでに時間がかかったり。一方で社会はどんどん変化していく…そのギャップにもどかしさを感じていました。

教員の仕事はとても充実していて、でも、だからこそ、この変化の中を生きていく子どもたちの未来を考えると「学校」の外側の視点で教育にアプローチすることの必要性を感じるようになって。そんな中でCOMPASSのことを知り、まさに自分が理想としていた「子どもたちの『未来を生き抜く力』となる教育を創る」を実現できる場所だと入社を決めました。

川野:
僕も、同じように高校教員として授業を行う中で、釣田さんと同じようなもどかしさを感じていました。もっとデジタルツールを活用すべきなのに、なかなか時代がやってこないなぁと。

だったら「創る」側に回ってそのスピードを加速させよう、と思うようになり、思い切って教員を辞めて当時住んでいた岡山から上京、プログラミングスクールに通うことを決めました。

――住む場所を変えて、教える側から学ぶ側に・・・!不安はありませんでしたか?

川野:
ちょうど辞めるタイミングがコロナの始まりだったこともあって、勇気はいりましたね。でも、「退路を絶って新しい道に進むんだ」という強い気持ちがあったので、この数か月間は学生時代以上に真剣に勉強に取り組むことができて、良い時間になったと思っています。

嵯峨山:
僕の場合は、キャリアチェンジを考えた最初のきっかけは高校生への進路指導で。学校の外側に進んでいく生徒たちの将来を一緒に考えるのに、自分は、一般企業の就職活動をしたこともなくて、学校現場しか知らないということに疑問と不安を抱くようになったんですよね。

学びの個別最適化に学校の外側からチャレンジしてみたいという思いもあり、受け持っていた高校3年生を卒業させるタイミングで退職し、プログラミングなどの勉強をしながら転職活動をする中で、COMPASSに出会いました。

――変化の時代を生きていく子どもたちの未来を想う気持ち、それが皆さんのきっかけであり、COMPASSとの接点だったんですね。

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(嵯峨山さん)

Q:教職時代と変わったこと、変わらないことは?

――先生だった頃と、COMPASSで働く今とでは、どんなことが変わりましたか?

釣田:
COMPASSに入社して、エンジニアやデザイナー、ビジネスやコーポレートなど、一気に関わる職域の幅が広がったなと思います。教員だった頃は、基本的に、自分と同じ教員や教育関係の人とのつながりだけでしたから。

嵯峨山:
そうそう、学校現場にいたときは、同僚はみんな教員で、外部の人といえば行事のカメラマンさんや修学旅行の旅行会社さんなど。そこはガラッと変わりましたよね。

釣田:
色々な視点から、自分が考えたコンテンツのアドバイスをもらえたり意見を聞けたりするのは、教員時代にはなかったことですね。「そういう考えもあるんだ」と刺激になりますし、すごく学びにもなります。

――逆に、他の部署からは、皆さんの教育のプロとしての知識や現場経験から学ぶことが多い、とすごく頼りにされていますよね!

川野:
一方で、自分で選択したキャリアとはいえ、子どもたちと触れ合う時間がなくなったことは、どうしても少し淋しいところではありますよね。

一同:
うんうん。(強く頷く)

鶴野:
僕は学校ではなく塾の講師ですが、生徒の前に立たなくなったこと、授業をしなくなったこと、はやっぱり一番の変化ですね。でも「生徒が学力をつけるために一番良い問題は何か」を考え続けるということは当時と変わらない、というより当時以上に考え続けています。

嵯峨山:
そうですね、教材をつくることはやっぱり楽しいです。教員時代も毎回プリントを自作していたんですが、当時の経験も活かしつつ、今はQubenaで「どういう設計をすれば子どもたちが理解できるか」当時以上に、習得させたい内容までの1つ1つのステップを意識しています。

髙木:
僕も教育への情熱や現場への想いは、COMPASSで働く中で、むしろ強まり続けています子どもたちの「学習」というところに自分のリソースを集中させられる、というのも教員時代からの変化の一つですね。

子どもたちや保護者との関わりは教員時代の一番のモチベーションだったので、3分に1回くらい「現場に戻りたい」と思ってますが。

一同:
えっ、3分に1回・・・・!(どよめき)

髙木:
現場にいた頃にはなかったアプリやICTに関するスキルと知識を身に付けた今、これを持って現場に戻ったら最強だろうな…と思いませんか?(笑)
今はそうしたスキルや知識をQubenaを通して広く全国の教育現場に届けること、にしっかり取り組んでいきたいですが、元教員として、いつか自分自身の授業で実践したい、という想いを持っています…!

――学校の外側にいるからこそ、の皆さんの現場への想いの強さを改めて感じます!

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(川野さん)

Q:教育設計の仕事のやりがい・大変さは?

――仕事をしている中で、やりがいや大変さを感じるのはどんな部分でしょう?

川野:
教育において「必要だけど今まで実現できなかったもの」を実現できるところにやりがいを感じますね。例えば、国語で知識・技能にあたる漢字・文法・語彙は、読解などにも関わるすごく大切な内容です。子どもにとっては難しく、苦手意識をもつ子も多いのに、授業で扱える時間が少ない。そこをQubenaで補えれば、子どもも、先生も、ハッピーになってもらえますよね。

鶴野:
そうですよね。僕も「この世にまだない理想の体験を生む教材づくりができる」というのは、大きなやりがいでもあり、大変さでもあると思います。前例がないので、自分たちで道を模索しなくてはいけないのは大変です。でも、授業をやっている中で「もっとこうなったらいいのに」という課題を解決していけることは、COMPASSの教育設計ならではの醍醐味です。

――実際に教壇に立たれていた皆さんだからこそ感じられる教育現場の課題がたくさんありそうですね。

釣田:
はい。一方で、教員時代には意識していなかった課題に直面することも度々です。

自分がつくった問題を使った授業を実際に見学すると、間違えた際に正解を理解してもらうための解説を「そもそも読んでいない」「読んでも理解できていない」という子どもたちもいたり、問題づくりの際には想定していなかった課題にはっとします。でも、そこから「もっと解説の文章は短くしよう」「こういう風に内容を変えよう」と次の改善案につながっていく。

そうして試行錯誤を重ねてつくった問題に先生方や子どもたちが良い反応をしてくれたり、喜んでくれたりする姿を目にできた時の達成感は、言葉にできないほどです。

髙木:
やっぱり現場の反応は原動力になりますね。

いつか現場へ戻りたい、という話もしましたが、今のモチベーションは、「全国の児童生徒を受け持っている先生」という感覚です。50万人もの子どもたちがQubenaを使ってくれていますからね。その一人ひとりが自分が担任する児童生徒だという気持ちで取り組んでいます。

――50万人もの子どもたちを受け持つ。確かにこれは教職の現場では体験できないスケールですね・・・!

鶴野:
そうそう、50万人の子どもたちのために、中途半端なものは創れないという責任があります。その責任の大きさも、この仕事ならではのやりがいです。

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(鶴野さん)

Q:教育設計チームが大切にしていることは?

――続いて、教育設計チームの仕事をするうえで、大切にしていることを教えてください。

嵯峨山:
学校の授業とは違って、Qubenaのコンテンツは、1人では完成しません。問題をつくる人、イラストを描く人、入力をする人、アプリに実装する人、それぞれがスケジュールを共有して連携し合ってつくっていきます。作業の進捗報告や、続く作業がスムーズに進むような工夫などを大切にしていますね。

川野:
他の職能のメンバーとの連携や情報共有もそうですが、僕たち設計メンバー間での連携・共有も大切にしています。他の教科の取り組みが自分が担当する教科のヒントになることも、その逆もあります。

釣田:
あとは、問題集を解いたり、参考書を読んだりする中で着想を得ることも。よりよいコンテンツを追求するために、自分自身が教科の専門性を高め続けること、そのために外からの知見を取り込むことも大切にしています。

鶴野:
そうしたインプットや連携を重ねながら、最高の品質を目指すために「最適かどうか」を常に考え続けることを大切にしていますね。

――「最適」というのは、誰にとっての最適ですか?

鶴野:
Qubenaを利用する「子どもたち」と「先生方」その両方ですね。子どもたちがより良い学習をするためには、その学習をサポートする先生の「教え方」もアップデートしていただく必要があります。子どもたちが最適に学べる教材であることはもちろんですが、先生方に最適に使ってもらえることも重要です。

だから、授業見学や先生方との会話で得られるリアルなフィードバックが欠かせません。

――学校現場にはどれくらいの頻度で訪問されていますか?

鶴野:
教科や時期にもよりますが、授業の見学を週に1回、先生方とのミーティングを週に1回、と週に2回のペースで行くのが平均です。現場で得たものを持ち帰って生かすというサイクルを日々回しています。

釣田:
授業の中でどのようにQubenaが使われるのか、Qubenaを使っている時の先生や子どもたちの反応などを定期的に見ていかないと、と思います。現場を見ないと、どうしてもユーザーの感情の機微などがわからないので。

――皆さんの教員としての経験値に加えて、日々の飽くなきアップデートがQubenaのコンテンツの質の高さを支えているんですね。

髙木:
冒頭の部署名の紹介でも触れましたが、僕たちが創ろうとしているのは「教材」という限られたものではなくて、教育そのもの、学びの環境全体なんですよね。あくまでQubenaは手段であって、目的はQubenaを使うことで実現する「新しい学びの環境」

一問一問の問題に深く向き合いながら、利用する子どもたちと先生をリアリティをもって想像すること、そしてその先にある「新しい学びの環境」を想い描く、広い視点を持つことを大切にしています。

――まさに「未来教育」、そして「教育設計」ですね。

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(釣田さん)

Q:今後なしとげたいことは?

――最後に、未来教育部 教育設計チームの仕事を通して今後なしとげたいことについて教えてください。

川野:
Qubenaで「知識習得の効率化」を推進すると同時に、その先の、思考・判断・表現の力につながる「学びへの関心」を高めることも必須と考えています。「へえ〜こういうものがあるんだ」→「もっと調べてみたい!」と思えるトリガーになるような学びの楽しさを伝えるコンテンツを生み出していきたいです。

釣田:

「新しい学びの環境」を創り出す必要性は多くの先生方が感じていて、とはいえ、学校現場では、知識や技術があっても時間がなく物理的に難しいというのが現状です。Qubenaはそうした学校が抱える問題の突破口になると信じて、現場のニーズを満たすコンテンツを今後も提供し続けたいと考えています。

嵯峨山:
子どもたち全員の教育の価値を高めたいと思っています。従来の一斉型授業で取り残されてしまっていた子どもたちに、個別最適化というQubena最大の強みで適切な復習や知識習得の機会を与えることができれば、授業時間で何も得られなかったという事態をなくしていけるのではないかと考えています。

鶴野:
目標に掲げている、知識・技能の獲得の効率化 ⇒ 子どもたち(と先生に)に時間を生む ⇒ 空いた時間でそれぞれの子が自分のやりたいこと・やるべきことに時間を割くことができるという状況を、早く確実に、実現したいですね。

髙木:
ヒトとツールの有機的なティーム・ティーチング(ヒトの役割の再定義)、個別と非個別の最適なコンビネーション、主体的で対話的な深い学びの定義とその実現方法などなど…、「新しい教育様式」の総合的な再設計を実現したいです。

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教育設計チームのみなさん、ご協力ありがとうございました。
皆さんの、教育現場への熱い想いを語る姿が印象的でした。いつか皆さんの授業も受けてみたいです…!

そしてここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございます!

今回ご紹介したCOMPASSならではの教育設計の仕事のやりがいや大切にしていることに共感し、一緒に働いてくれる仲間を絶賛募集中です。興味を持っていただけた方のご応募、お待ちしています。