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学校現場に導入される「学習eポータル」COMPASSが目指すサービスの全容は?【メンバーインタビュー#17】

こんにちは!採用広報チーム 伊藤です。前回はCOMPASSのクラブ活動にインタビューを行い、オフラインでのコミュニケーションの実態についてお届けしました。

AI型教材Qubena小中5教科に、2022年9月に学習eポータルの機能が新たに加わりリリースされた 学習eポータル+AI型教材「Qubena」ですが、今回はその新しく機能追加となった「学習eポータル」について、それってどんなことができるようになるの?というところについて、お届けしたいと思います。
今回お話いただくのは…

プロフィール
木川俊哉(きがわしゅんや)
取締役/教育R&D 室長/最高教育体験責任者。
前職にて塾の経営に携わる中で「全ての子どもたちが可能性を広げられる教育」に想いを持ち、ファウンダーの誘いでQubena開発期のCOMPASSへ。多くの教材の開発のほか、直営塾の運営などにも携わる。趣味はサーフィン。
木川さんのnoteアカウントはこちら→ https://note.com/shunyakigawa

Q.そもそも「学習eポータル」とは?

ーーそもそも「学習eポータル」についてお伺いしたいのですが、一般的にどんなものなのでしょうか?
 
木川:
一般的な学習eポータルは、「ポータル」という名前の通り、GIGAスクール構想で小中学校に配備された一人一台の端末環境に搭載されたアプリなどのさまざまな学習のツールの入り口となるものです。スマホのホーム画面をイメージするとわかりやすいかもしれません。

COMPASSの学習eポータルは、ツールの入り口としてだけではなく、AI型教材であるQubenaを基軸として、MEXCBTやデジタル教科書(※)、その他のデジタル教材、校務支援システムなどの多くの学校で導入されているツールと繋がることで、子どもたちの様々な学習活動がツールごとに分断されることなくシームレスに行われるようにすること、さらに各ツールの教育データをより良く活用することを目指しています。
※文部科学省が作ったCBT(Center Based Testing)システムの通称

COMPASSの学習eポータルは、AI型教材であるQubenaを基軸として、MEXCBTやデジタル教科書などの学習ツールと繋がることで、様々な学習活動がシームレスに行われることを目指してサービス提供をしています。
※デジタル教科書は今後対応予定


学習eポータル+AI教材「Qubena」の他ツールとの連携イメージ

ーー確かに、端末が整備されてここ数年で一気に使うアプリが増えましたよね。各教科によっても色々なツールを使い分けなければいけないですし、ツール間でのデータ連携がスムーズにできると学習がしやすそうですね。

ーー「学習eポータル」の機能を備えたQubenaを学校で使うことで、子どもたちや先生たちにはどのようなメリットがあるのでしょうか?

 
木川:
学校現場では、活動に応じてデジタル教科書や、ICT教材、協同学習ツールなど様々な教材やコンテンツが使われています。授業の中で使うツールは多岐にわたりますが、もちろん学習活動自体は連続しています。例えば、教科書を読んだ後にQubenaを使って勉強して、そこで学んだことを生かしてロイロノートで協働学習するという風に。

学習活動は連続しているのに、使用するツールが異なっていると、それぞれのデータがツールごとに分断してしまいますよね。ツールごとに分断されたデータを連携させることによって、学びがよりシームレスになっていく。これが、学習eポータルとしてのQubenaの一番の意義であり、子どもたちへの大きなメリットだと考えています。
 
先生たちにとっては、業務負担の軽減が大きなメリットです。ツールの一つである校務支援システムでは、子どもたちの通知表、出欠、成績などを管理しているのですが、この校務支援システムの生徒のアカウントとQubenaなど他のツールの生徒のアカウントを連携させると、先生が行っている生徒アカウントの管理が非常に楽になります。

Qubenaはアカウント管理がより簡単になるよう、業界シェアNo.1の校務支援システムである「シーフォース」をはじめ、「ツムギノ」とも連携、国際技術標準規格である「OneRoster®︎」にも対応しています。

インタビューに答える俊哉さん

ーー確かに、ツールが複数あるとツールごとに生徒のアカウントが存在していているので何か修正があったときに全て修正しなければならないですもんね。何百人と生徒がいる学校では大変な作業になりますよね。

木川:
アカウント管理で一番大変なのは、「年度更新」と言われる作業です。年度が変わるタイミングは、進級やクラス替え、転出・入学の設定など、色々煩雑な事務作業があるんですよね。複数のツールを導入している学校だと、10回以上も年度更新の同じような作業をツールごとに行わなければいけない場合もあります。
これが学習eポータルによってたった1度で全ての年度更新を完了できれば、先生たちの負担は大きく減らせます。

ーークラス替えの変更作業を10回も・・・?春休みの短期間でそれを完了させなければいけないのはかなり大変ですよね。データ連携は急務な気がしてきました。
 
木川:
また、今後はデータ連携によって成績評価の方法も変えることができると思っています。例えば、Qubenaの学習ログが自動で校務支援サービスに連携されて、先生が生徒の成績評価に活用することができるようになる、そんな未来も見えています。
 
成績評価は、学校毎(あるいは先生毎に)学習指導要領を基に評価基準を作成して行われるのですが、曖昧になりやすかったりブラックボックス化しやすい部分でもあります。それが、データで定量化されていくのは、大きな変化だと思っています。

校務支援システムとの連携により先生の業務効率の向上をサポートします

ーーなるほど。校務支援システムと連携をすることで、先生の業務効率をあげるだけでなく、評価基準の明瞭化までできるんですね。

Q.学習eポータル開発のきっかけは?

ーーCOMPASSがなぜ学習eポータルの機能も開発することになったのですか?
 
木川:
もともと、私たちが持っていたQubenaの膨大な学習データを活かして、他の学習データとうまく連携させながら子どもたちの学びを豊かにしていく、「学びのエコシステム」のような仕組みを作っていきたいと考えていました。
 
そんなときに文科省が開発したMEXCBTが、来年度の全国学力状況調査で使用されることになり、全国の自治体で学習eポータルの導入が決まったことは大きな後押しにはなりましたね。COMPASSが構想していた「学びのエコシステム」を実現するための、教育データを利活用できる基盤(=学習eポータル)の導入が全国の自治体でいっせいに進むタイミングですからね。
 
文科省が開発したMEXCBTはあくまで問題のデータベースであり基盤なので、アカウントの管理機能などがなく、MEXCBTを使うためには学習eポータルが必要なんです。
現在MEXCBTに対応している学習eポータルを提供している企業は現在7社あり、来年度は9社に増える予定です。全国の自治体はその中からそれぞれに合った学習eポータルサービスを選ぶ形になっています。

学習eポータルを通してMEXCBTを受験・配信・結果の確認ができます

Q.学習eポータル+AI型教材「Qubena」だからできることは?

ーー学習eポータルを提供している企業はいくつかあるとのことですが、他社の学習eポータルと比較して、Qubenaが提供している学習eポータルの特徴や優位性は、どんなところにあるのでしょうか?
 
木川:
冒頭でもお話しましたが、一番大きな違いは、僕らがAI型の学習教材を提供している唯一の会社でAI型教材であるQubenaを基軸としているというところだと思っています。他の学習eポータルの提供企業は、学習eポータルを基軸としていたり、校務支援サービスが基軸だったり。COMPASSは学習eポータル提供事業社の中で唯一、学習教材を提供している会社※なんですね。
※2023年1月末時点
 
なぜそれが強みになるのかというと、日々の学習でQubenaに溜まっていく膨大な学習データから、「このような学習をしているいうことは、この子にとってはこの学習が必要だよね」とMEXCBTや他の連携しているツールなどの学習コンテンツをレコメンドできるからです。
 
現在、100万人のQubenaのユーザーは毎日Qubenaで大量の問題を解いています。1日500万問くらいのぺースで解いているので、その分の学習データが溜まっていく。これによって、AIがどんどん分析できる状態です。
 
Qubenaが一番の基軸となっていて、そこに100万人分の学習データがあって、それを元に子ども一人一人に合ったコンテンツを提供できる。これが僕らの学習eポータルの特性ですね。
 
ーー具体的にはどういうことなんでしょうか?
 
木川:
学習eポータルの一番のメインとなっているMEXCBTは、テストを受けるためだけの基盤なんですよね。でもテストって受けて終わりではなくて、その前やその後の学習に繋がっていく必要があるじゃないですか。
 
例えば、テストが70点だったとして、苦手な部分が把握できますよね。そしたらその部分を学習しようと繋がっていくわけです。学習eポータルでQubenaの膨大なデータとMEXCBTから分かるその子の習熟度を組み合わせて、その子が解くべき問題をレコメンドします。その反対で、到達度に合わせて、MEXCBTでの再受験のレコメンドができる可能性もありますね。
 
ーーテストを受けっぱなしで復習が疎かになってしまう状態を防いでくれる訳ですね!しかもテストに向けた適切な対策もできるとなると勉強のモチベーションも上がりますね。

あとは教科書もそうですね。デジタル教科書や他の教材で学んだことがタイムリーにQubenaの問題として出てくるとか、その逆も然りですね。もう一度学び直した方が良いとなったら教科書のページが開いて、間違えたところにフォーカス当てられているとか。そういう風に、もっともっとシームレスな学びの環境を実現していけると思っています。

QubenaとMEXCBT・教科書・教材との連携でシームレスな学びの実現を目指しています

ーーす、すごい!間違ったその場でさまざまなリファレンスができるとしっかり定着もしそうです。
 
木川:
MEXCBTやデジタル教科書の話ばかりになりましたが、もちろんそれ以外も色々できると思っています。

例えば、子どもたちは学習塾や習い事に通いますよね。学校での学習データを塾に持ち込んで、それを塾の先生が見て指導するってこともできるようになると思うんです。今だと、どこまで習ったかは子どもたちが口頭で伝えていたりしますが、でもそれって先生に習熟度も合わせて正確に伝えることは難しいですよね。
 
学習データが、公教育の場に閉じられてしまっているのはすごくもったいないと思っています。僕らは、Qubenaを「データの利活用をもっと自由に」「学習者主体で」できるような構造にしたいと思っています。学習塾以外にも、自分の生活を記録していくようなシステムで、習い事の時間がどれくらいで、1日どれくらい勉強しているのかを明確にできるようにするとか。自分の管理しているGoogleカレンダーと連携させることもいいですよね。
 
そういった、学習者が自分の学習や生活に生かせるようなデータの持ち方を実現したいと思っています。もちろん個人情報の扱いやセキュリティなどの安全面はしっかりとクリアした上でですが。「学習者のデータは、学習者自身で使える状況を作りたい」そういう方針でサービスの設計を進めているのもCOMPASSの特徴かなと思っています。

学習者が学習者自身のデータを活用できる環境の実現を目指しています

――MEXCBTが使えればいいというだけでなく、学習者が主体のデータ利活用ができる環境創出のための学習eポータルを開発していると。とても大事なことですよね。

Q.今後の展望は?

ーー今後、こういう機能を付けていきたい、こういうサービスと連携させたいなどの展望はありますか?
 
木川:
そうですね、すでに何度も言っているように僕らが大事にしていきたいのは、学習者中心のデータの利活用です。子どもたちの学びが豊かになることであれば、それは積極的にやっていきたいと思っています。
 
実際に子どもたちは学校外でも様々な学習を行っていますよね。英会話に通っているとか、プログラミングを学んでいる子もいて。そういう様々な学びを結びつけていきたいと思っています。
 
例えば、プログラミングの中で数学の知識が出てきたらQubenaに飛ぶとか。そういったこともできるかもしれません。英会話だったら、オンラインで英会話の授業をした後に、Qubenaの学習に生かされるとか。こういうことが個人のペースでできていくと、すごく “未来の教育”って感じがしますよね。そういう世界を作っていきたいです。
 
ーー私が学生だったころ(約20年も前ですが)と比較にならないくらい、学習の方法が変わりますね(笑)
 
木川:
こういうことができる時代になってきたっていうのが感慨深いですよね。
 
また、子どもたちの学びを支える先生や教育委員会にとっても、学習eポータルによってサービス連携が進むと子どもの学びをコーディネートしやすくなると思います。それぞれのサービスから出力されたデータを使って子どもたちにアドバイスしたり、学びの環境を改善する際のエビデンスにしたり、このようなことがQubenaの学習eポータルを通じてできるようになると、教育が本当に様変わりしていくんじゃないかなと思っています。

ーーすごく夢が詰まった学習eポータルですね!なんでもできてしまって、未来が楽しみです…!
 
木川:
本当に、世の中を変えてしまうんじゃないかって思ったりしてますし(笑)、本気で教育を良くしたいと思って日々取り組んでいます!

 ーーー

木川さんありがとうございました!
学習eポータルとして新しくサービスを開始したQubenaが目指している、新しい学びのすがたを少しでもご理解いただけましたでしょうか?

COMPASSでは、現在さまざまな職種で新しい仲間を募集しています。興味を持っていただけた方のご応募をお待ちしています。


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