ライフステージに寄り添うCOMPASSへ。CEOの育休取得体験談
こんにちは。株式会社COMPASS、採用広報チームの伊藤です。
2022年、遅ればせながら最初の記事のゲストは、代表取締役CEOの小川さん(以下、正幹さん)。
正幹さんには第一回インタビューのCOMPASSのミッションの記事にも登場いただきましたが、今回は「育休」のテーマでお話を伺います。
実は、正幹さんはCOMPASSの男性育休取得パパ、第一号!昨年、第二子誕生の際に、1ヶ月間の休暇を取得されました。CEOが育休を取ったきっかけや育休中の生活、これからのCOMPASSの働き方の展望についてお話を伺っていきます!
Q:育休取得の経緯は?
ーー正幹さんは、昨年10月の第二子誕生に合わせて1ヶ月の育休を取得されましたが、育休を取ろうと思ったきっかけは何ですか?
小川:
実は、当初、育休を取るつもりはありませんでした。
最初は妻が出産で入院する1週間、時短勤務をする、という想定で。
そもそもは時短勤務さえ考えていなかったのですが、出産が近づくにつれて、普段の働き方をしながら、ママ不在の中で、まだ2才の第一子(平日の日中は保育園)の面倒をワンオペで見るのは難しそうだなと気づき・・・。
そこで、「1週間くらい、時短勤務をしたいんだけど・・・」という相談を経営会議でしました。
この時点で僕自身には育休を取るって発想がなかったのですが、役員みんなから「育休取ってもいいんじゃない?」という話があったのと、「教育の会社で社長が率先して育休を取るってこと自体に価値がある」と言ってもらえたのが後押しになり、育休取得を決めました。
――育休取得にあたって不安はありましたか?
もちろん!むしろ最初は不安だらけでしたね。
会社としての動きが速い中で1か月の不在期間を作ることへの不安と、自分のやっていることを権限委譲することへの不安と。
また、個人的に休む、ということが得意ではなくて、休むということ自体に不安を感じていたというのもあります(笑)
ただ、実際に業務範囲を整理してみると、スムーズに委譲できる状態だったので、権限移譲の部分はすぐにクリアになりました。なので、会社に対しての不安は全くなかったです。任せられるだろうなと思って。
1か月休んでちゃんとキャッチアップできるのか、1か月も仕事から離れることが未知の領域すぎて、個人的な不安の方が大きかったです。
――どうしてもCEOじゃないとできない仕事、ってあると思うのですが、権限委譲に際して問題はなかったですか?
信頼できる役員がいたからスムーズにできたのかもしれないですね。特に、副社長の潤さんには僕が持っている権限を全て渡しても問題ないというくらいの気持ちでいるので。
僕がいなくなっても、会社は回る状態になっていると感じるし、そういう状態だったからこそ育休を取る決断ができた。COMPASSが今そういう状態になっているっていうのはとても幸せなことだと思います。
――「個人的な不安」の大きさについてお話しいただきましたが、それでもやっぱり1ヶ月の休暇取得を決断できたのはどうしてですか?
まず、「チャレンジ」という気持ちがありましたね。
僕自身、男性が育休を取ること自体に意義を感じていて、メンバーにも取ってほしいと強く思っていました。ただ、「取ろうよ」と言っているだけと、自分自身が経験するのでは、受け取る社員の側から見ても大きな違いがありますよね。男性メンバーの育休取得実績がない中で、代表である僕自身が経験することに意味があると思いました。
また、権限委譲には会社としてメリットもあります。他の会社の事例を見ていても、社員の自立性を促したり、生産性が向上したりと、権限委譲をすることで会社の成長につながる部分があるんです。
休むのが苦手かどうかというのは個人の問題なので、バンジー跳ぶのか跳ばないのかってなったときに、メリットあるなら跳ぼうと思いました。
最終的には、社長としてではなく、小川家のメンバーとして、1ヶ月育休を取ることが一番家庭に貢献できると思ったことが大きいですね。
なんだかんだ一番大事なのは家族。COMPASSのみんなには「家族の具合が悪くて」というときはもちろん、家族にとって重要なタイミングでは家族を優先してほしいと思っています。それが実現できる組織づくりをCOMPASSではすごく大切にしていますし。
家族にとって一番良い選択肢ってなんだろうと考えたら、育休を取るという結論に至りました。
Q:育休取得について、周囲の反応は?
――社内外からの反応はどうでしたか?
メンバーからはもちろん、他の会社の方からも良い反応をしてもらえました。とある取引先の人に話をしたら、「素晴らしいことなので、ぜひ取ってください」と言ってもらえて。周りの人に応援してもらえたのは、とてもうれしかったですね。
――ネガティブな反応はなかったですか?
一切なかったですね。それは、本当にうれしいなと思うところです。
「いや、それは無理ですよ」とか「男性育休の前例がないから困った・・・」みたいなことではなくて、育休をとる前提でスムーズに事が進んでいく感じ。当たり前のこととして、処理してもらえたっていうのがすごくありがたかったです。
僕自身、他の企業の先輩パパ社長たちの前例を横目に、「男性も育休取って当たり前の権利だよね」と思っていたはずなのに、いざ自分が取るってなったときに抵抗があった。社内の前例がない分、どこか通常の制度のようには利用しにくい心理的なハードルがあったんだと思います。
みんなに受け止めてもらえてうれしかった=周りにどう反応されるかも、ひとつの不安要素だったなと思いますし。
でも、COMPASSには育休取得を当然のこととして後押してくれる空気があるし、今回僕自身が育休を取得したことで、みんなの心理的ハードルをひとつ取り払えてるといいなと思います。
――そうですね、既に正幹さんに続いて男性育休取得を予定しているメンバーも出ていますね!
――ご家族の反応はどうでしたか?
妻は、単純に「ありがたい」という感じでした。
我が家は日頃から協力して育児を行っている方だとは思いますが、妻も僕が育休を取るなんて思ってなかったと思います。でも取れるのであれば「もちろんありがたい」と。
出産直後、体のダメージが大きい時期に僕が「100%」でスタンバイできるというのは心強かったようです。
一番びっくりしていたのは、義理の祖父母ですね。世代的な価値観もあり、男性が育休を取ること自体がもの珍しいという感じでしたが、「育休があってよかったね」と言ってくれました。
Q:育休中の生活は?
――次は実際に育休を取られてからのことについてお伺いしたいと思います。育休中の1ヶ月間はどんな生活でしたか?
想定外の育休期間というか、実は、下の子に先天性の心疾患が見つかったんです。産まれてすぐに、即転院で手術準備に入らなきゃいけない状況。もし、育休を取ることにしていなかったら、本当に対応が難しかっただろうなと思います。
育休中は、下の子のお見舞いに病院に通いつつ、上の子の面倒を見たりする毎日でした。
――イレギュラーな育休生活のスタートで大変な部分もあったかと思います。何か意識されていたことはありますか?
産まれた子に関しては、必要以上に親から遠ざけられていて寂しいはずなので、できる限り病院に通って声をかけにいくようにしました。また、上の子のケアが疎かにならないように、今まで以上にかまってあげることも意識しましたね。
僕が二人の子どもの父親となったうえで大事にしていたのは、「愛情を2分割しない」ということ。リミットがあるから、愛情を半分しか注げないよというのでは、子どもは絶対に寂しくなってしまう。「愛情は倍にする」ことを心がけていました。
――1ヶ月間、長かったですか?短かったですか?
今過ごしている時の流れに比べると、だいぶ長くてゆっくりした時間の使い方をしていたなぁと思います。そういう意味では、長かったのかな。あっという間ではなかったです。子どもの退院を待っている状態だったので、待ち遠しくて長く感じたのかなと思います。
一方で、育休から帰ってから1ヶ月が本当にあっという間でした。
仕事している方が、時の流れが圧倒的に早いんですよね。育休明け1週間前にオンラインの全社イベントがあって、僕も顔を出したんですが、周りから「もう帰ってくるんですか?早いですね!」って言われて。もしかして、僕は「精神と時の部屋」にいるのかもしれないって思いました(笑)
育休明けのタイミングはなかなかに緊張しましたが、みんな笑顔で迎えてくれたので、本当にうれしかったですね。
Q:育休を経た変化は?
――ご自身の育休を振り返ってみて、良かったことは何ですか?
一番は、家族のために時間を使えたことですね。
育休を取るって、新しく産まれてきた子どもに対してっていうのはもちろん、妻のために、上の子どものためにも大事なこと。家族みんなのためなんですよね。
妻との会話も増えたし、第一子と遊ぶ時間も増えた。家族のためにふんだんに時間を使うことができました。それによって、家族の絆が深まったと感じています。
何より第一子とすごく仲良くなりましたね。全力で愛情を注ぐと向こうも全力で返してくれる。夜、「寝るよ」っていった時に「抱っこ〜」って毎回甘えてくるのが、かわいくて仕方がない。
また、目の前のタスクのことを考えない分、人生どうしていくのかを考える時間として使えたというのも大きいですね。英気を養った状態で仕事に戻れる。活力満タンという感じ。
みんなぜひ育休を取ってほしいし、取れるのであれば、1ヶ月と言わず、3ヶ月とか半年とか取れる限り取ってほしいですね。
――育休を経て、何か変化したことはありますか?
「育休」に対しての考え方が明確に変わりました。「取った方がいいじゃん!」ということは、当たり前に思っていたけれど、実際に取ってみないと分からない素晴らしさに気づけたというか、会社として半ば強制的に取らせたいと思うくらいになりました。取らない人には「なんで取らないの?」って詰めちゃうくらいかもしれません(笑)
家族というものをメンバーみんなに大事にしてほしいという思いが、育休取得を経てより強まりましたね。
――男性の場合、家族も「男性は育休取らないもの」と思っている人もいて、悩む人も多いのではないかと思います。取るか取らないか迷っているメンバーがいたら、何て伝えますか?
「絶対とった方がいい!」と、とにかく伝えますね。
さっきも触れましたが、家族の絆が生まれるイベントだからです。我が家の育休には想定外の事態もありましたが、そうでなくても出産後の育児って、山登りのように家族みんなで大変さを乗り越えたり、喜びを分かち合うことで絆が生まれていくもの。出産は、家族運営として、絆を深めるチャンスなんだよ、と。
あとはこれも既にみんな理解してることだとは思いますが、産後の女性の体のダメージは本当に大きい。交通事故レベルみたいな話も聞きますよね。そんな中でサポートしない選択肢・・・・なくないですか?
ーーうんうん(激しく同意)。「出産後に手伝ってくれなかった」の負債レベルは相当大きいですからね(笑)
家庭内負債は少ない方がいいので、悩んでいる男性メンバーがいたら、このイベントだけは何とかした方がいいって伝えるかもしれません。
Q:COMPASSの働き方の課題や今後の展望とは?
――育休取得する過程で、COMPASSの働き方に関する課題を感じた部分はありましたか?
COMPASSは、今、子どもがいる世代の人にとっては、めちゃくちゃ、働きやすい会社になっていると思っています。今回の育休取得を応援してくれるカルチャーもそうですが、コアタイムなしのスーパーフレックスのフルリモートを導入することで、みんなが保育園にお迎えにいける、それでも仕事がちゃんと回っていくという仕組みが作れているので。今後もそういったところは継続していきたいです。
――制度として整備されても、なかなか活用できないという会社もあると聞きます。COMPASSでは、なぜうまく活用が進んでいると思いますか?
率先してやる人がいることで、そういうカルチャーができているのかなと思います。僕も副社長も、カレンダーの中に保育園の送り迎えの予定を毎日入れていて、みんなその時間を外して予定を組んでくれます。
Slack上でも、みんなが「今日お迎えがあるので早く帰ります」「子どもの体調が悪いので〇時~〇時は稼働できません」という投稿がオープンなチャンネルで日々飛び交っています。オープンにするってことは、当たり前を作るときに大事なのかもしれません。
――確かに、私も転職直後、遠慮せず育児を優先していいんだ!と勇気づけられました。
一方、働き方の面でいえば、フルリモートの働き方に振っているので、オンラインコミュニケーションにはまだ課題があります。オンラインでもオフラインと同じようにコミュニケーションを円滑にできるようにしていかなきゃなと感じています。
――「リモコンプロジェクト(リモートCOMPASSプロジェクト)」はその取り組みの一つですよね!
そうそう、オンラインコミュニケーションのルール作りであったり定期的なサーベイによる課題の可視化だったり、少しずつ取り組みを進めています。
――会社として成長する中で、メンバーの年齢層も広がってきています。ライフステージの変化への対応についてはどう考えていますか?
基本的にライフステージは変わっていくもの。結婚、出産、育児だけではなく介護も入ってきますよね。自分自身が体調を崩すこともありますし。その中でも、みんながパフォーマンスを発揮できるような働き方を作っていきたいと考えています。
現在の制度も、保育園の送迎に限らず、介護や通院などの予定があっても、自分の稼働できる時間で調整する、など、様々なライフステージの変化における働き方を応援するものにはなっています。
ただ、まだきちんと会社の制度として形にできていないもの、働き方の多様性を応援するためにもっと変えていけること、作っていけるものがたくさんあると思います。
「人のライフステージにアダプティブに会社が寄り添う」ことが個人的に考えているこれからの大きなテーマです。
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正幹さん、ありがとうございました!
お子さんの話をされるときの正幹さんは完全にパパの顔で、ちょっと新鮮&ほっこりするインタビューでした。
そして、ここまで記事を読んでいただいた皆さん、ありがとうございます!
今回は、CEOの育休についてインタビューをさせていただきました。
COMPASSでは、誰もがそれぞれのライフステージに合わせて働きやすい職場を目指しています。
COMPASSの働き方への取り組みについてはピープル&カルチャーユニットの担当役員常盤がnoteを更新しています。こちらもぜひご覧ください。
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